東海道物流新幹線構想 - プレス資料(提言、おわりに)

東海道物流新幹線構想

東海道物流新幹線構想 > 12/7プレス資料(提言、おわりに)

5.最後に

(1)実現に向けて取り組むべき事項
   本構想は、CO2排出量の削減だけでなく、国民経済的にみても極めて優れた構想であるが、一方で巨額の事業費を必要とし、想定されるリスクの大きさを考慮すると、国の主導なくして本構想の実現は困難である。
   また、東海道物流新幹線を十分に活用して、社会的便益を発生させるためには、技術的課題や政策的課題の解決は不可避である。
   加えて、物流の恩恵を最終的に享受する消費者に対しても本構想の重要性を訴え、地球環境重視の観点から意識啓発を図り、広く世論を形成することにより構想実現を推進する大きな力とする必要がある。
(2)関係者が果たすべき役割
   本委員会は、本構想の必要性、コンセプト、期待される効果、課題を取りまとめ、一定の役割を果たしたと言える。今後は、残された課題の解決に向けて関係者(政界、官界、学会、産業界、マスコミ~国民)が一致協力して取り組む必要がある。
   本構想が、わが国の環境・エネルギー、安全、労働問題等の問題解決に極めて重要な役割を果たし得るものであることを踏まえ、国家プロジェクトとして、政治主導の下で推進していただきたい。
   行政機関は、従来の省庁、部局を超えて調査・検討を実施するための財源確保や諸課題の解決、官民の連携のリーダー的役割を果たしていただきたい。その際、日本高速道路保有債務・返済機構、高速道路会社の高速道関係機関、並びに鉄道事業者、トラック事業者は、それぞれのノウハウを活かせるように、本構想の政策的課題、f技術的課題の検討に主体的に取り組む主要な検討メンバーとして参画していただきたい。
   そして、最新技術を導入するため、関連する各分野の専門的知識を有する学識経験者や関連学会には、技術的サポートや本構想の学術面での支援を是非ともお願いしたい。
   産業界には、システムの中枢となるハードウェア及びソフトウェアを構築する際に必要となる技術開発力、コストマネジメント力を駆使して、高性能、高品質な製品を提供していただきたい。
   さらに、本構想は国民の総意によって推進すべきものであり、マスコミ等報道関係者が、事業の内容、意義、効果等を広くPRすることを切に希望する。
(3)早期実現のために
   対策の早期実現に向けては多くの人の知恵と努力、そして労力やエネルギーが必要である。実現に向けて、この先は、従来の考え方や組織に捉われない柔軟な発想で、システムを構築することに邁進するだけである。そのためには、本委員会の遺志を引き継ぐ、行動力のある組織を直ちに立ち上げ、早急に課題解決の方向を探り、基本設計、詳細設計、着工とステップを踏んで東海道物流新幹線を現実のものとしていかなければならない。
(4)国民の物流への意識づけと低炭素型物流の推進へ
   「2020年までに25%削減」という高い中期目標が鳩山政権から打ち出され、人々の低炭素社会へ向けた意識や議論が高まる一方、毎日の暮らしが物流によって支えられていることに気付いている人はあまりいない。
   お歳暮を贈ってもネットで購入しても、そのモノを「どのように運ぶか」がCO2排出量に直接つながっていることを見える化し、現在の日本の物流の現状と限界を広く国民に理解してもらい、その上で打開策をともに考えていく意味でも、本構想は大きな役割を果たせると信じている。

5.最後に

   猛暑と暖冬、あるいはその連鎖、反動で起きてくる様々な異常気象、地球温暖化が現実のものとして我々に迫っており、解決の動きはまさに世界を挙げて緊急性を要するものである。
   こうしたなか、京都議定書を策定したCOP3の議長国である日本は、2050年、CO2半減というメッセージを世界へ発信し、先般、鳩山総理は温室効果ガスの削減という環境問題において日本が世界をリードすることを表明した。
   また、対策が遅れている運輸部門において、少子高齢化による労働力問題や持続可能な経済成長の実現を考慮すれば、将来の総合交通体系、物流システムについて真剣に検討していく必要がある。
   国土の狭い日本だからこそ、「道路と鉄道の一体化」を実現できるこの“東海道物流新幹線構想“は、省エネ・温暖化ガスの削減の具体的モデルを提示するものであり、環境と経済のより良いマッチングのあり方について世界に範を示す一策となることを確信する。

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